サイズ目安チェッカーの仕組み

身長・胸囲から推奨サイズを計算し、購入をサポートする機能

サイズチェッカー推奨サイズECサイトUXコンバージョン
読了時間: 10分

はじめに

サイズチャートを丁寧に用意しても、「表の数値と自分の体型を照らし合わせて、どのサイズが合うのか」を判断するのはユーザー任せになりがちです。「Euro 50」や「M」といった表記を見ても自分に合うのか確信が持てず、迷った末に購入をやめてしまう。ECサイトの売上にとって、サイズへの不安はそれくらい直接的な離脱理由になります。

そこで、ユーザーが身長と胸囲(商品によってはウエスト)を入力すると、サイズチャートのデータをもとに「あなたにはこのサイズがおすすめです」と提案する「サイズ目安チェッカー」を作りました。

この記事では、この機能が裏側でどう動いているのかを、入力項目の切り替え・推奨サイズの計算・結果の見せ方の順に解説します。表を「読ませる」のではなく「答えを返す」形にする、という発想の話です。

商品に応じて入力項目を切り替える

アイテムによって測る場所が違う

ジャケットのサイズ選びには胸囲が要りますが、パンツならウエスト、手袋なら手の周囲が必要です。入力フォームを1種類に固定すると、商品によっては意味のない項目を聞くことになってしまいます。

そこで、表示中のサイズチャートの内容に応じて、入力項目を自動で切り替えるようにしました。

表のとおり、ユーザーに聞くのは「そのアイテムのサイズ選びに本当に必要な2項目だけ」です。入力の手間を最小限にしておくことが、使ってもらえるかどうかの分かれ目になります。

チャート側の情報を再利用する

どの項目を聞くべきかは、サイズチャート自体に書かれている行(身長の行があるか、胸囲の行があるか)から判定しています。チェッカー用の設定を別に持たず、チャートのデータをそのまま流用する形。チャートを追加すれば、チェッカーも自動で対応します。

推奨サイズの計算の流れ

サイズ表を「範囲のデータ」に変換する

計算の下準備として、人が見るために作られたサイズ表を、機械が扱える形に変換します。表の中から身長の行と胸囲の行を探し出し、「身長165〜172cmならM」「胸囲92〜100cmならM」のような範囲のリストに直す処理です。

データ抽出の流れ
サイズ表を取得
表示中のサイズチャート
表の行と列を解析
構造を読み取る
身長・胸囲の行を特定
行のラベルで検索
範囲データに変換
「この範囲ならこのサイズ」のリスト化

図を一言でまとめると、「人向けのサイズ表を、機械が照合できる範囲のリストに直しておく」という前処理です。表示用のチャートと計算用のデータを二重管理しなくて済むのが、この方式の利点です。

身長と胸囲、2つの答えを突き合わせる

ユーザーが入力すると、身長から見たサイズと、胸囲から見たサイズをそれぞれ特定し、2つを突き合わせて最終的な推奨を決めます。

サイズ判定の流れ
身長からサイズを特定
範囲リストと照合
胸囲からサイズを特定
範囲リストと照合
2つのサイズを比較
ずれの大きさを確認
一致
→ そのサイズを推奨
1サイズ差
→ 胸囲側を優先して推奨
2サイズ以上の差
→ 両方のサイズを提案
推奨結果を生成
理由のメッセージ付きで表示

図を一言でまとめると、「身長と胸囲で答えが割れたら、ずれの大きさに応じて推奨の出し方を変える」という判定です。1サイズ差なら胸囲を優先するのは、上着の着心地は胸まわりの合い方で決まる部分が大きいため。2サイズ以上ずれる体型の方には、無理に1つに絞らず両方を提示して選んでもらいます。

境界にいる人は両方の候補を残す

身長172cmのように、ちょうどMとLの境界に当たる入力もあります。この場合はどちらか一方に決めつけず、両方をいったん候補として持ち、胸囲との組み合わせで最終判定します。それでも絞りきれなければ「M-L」のように併記して提示する形です。

境界の扱いを雑にすると、「実際に着たらきつかった」という体験に直結します。曖昧なケースでは曖昧なまま正直に見せる方が、結果的に信頼につながるんですよね。

結果の見せ方とUI

サイズだけでなく理由も添える

計算結果は、推奨サイズ単体ではなく、そう判断した理由とセットで表示します。たとえば「推奨サイズ: L / 身長175cm → L、胸囲96cm → M-L / 胸囲を基準にLをお勧めします」という形式です。

理由が添えてあると、ユーザーは提案を鵜呑みにするのではなく、自分の体型感覚と照らして納得した上でサイズを選べます。返品理由のいちばん大きな部分を占める「思っていたサイズと違った」を減らすための工夫です。

サイズチャートパネルの中に組み込む

チェッカーは独立したページにせず、商品ページから開くサイズチャートパネルの中に配置しました。

サイズチャートパネルの構成
ヘッダー

戻るボタン・タイトル

サイズチャート表

横スクロール対応・左列は固定表示

サイズ目安チェッカー

入力フォームと推奨結果の表示

採寸ガイド

正しい測り方の説明

図を一言でまとめると、「表を見る → 迷ったら入力して答えをもらう → 測り方も確認できる」が1枚のパネルで完結する構成です。サイズ表とチェッカーを行き来させないことで、迷っているユーザーをその場で答えまで連れていけます。

今後の拡張案

チェッカーの精度と使いやすさは、まだ伸ばす余地があります。検討しているのは次の3つです。

  • 購入履歴との連携: 過去に購入したサイズを自動で初期値に入れる
  • 手持ちの服からの変換: 「普段着ているMサイズ」を基準にした提案
  • 体型タイプの選択: 「標準」「がっしり」「細身」の選択で推奨を微調整

いずれも「入力の手間を減らしながら、提案の根拠を増やす」方向の拡張です。

まとめ

サイズ目安チェッカーは、サイズチャートのデータを範囲のリストに変換し、身長と胸囲の2軸で照合して推奨サイズを計算する機能です。答えが割れたときの優先ルールと境界値の扱いを決めておき、結果には必ず理由を添える。サイズ表を「読ませる」から「答えを返す」に変えるだけで、サイズ選びの不安はかなり軽くできます。

チャート自体をどう選んでいるか、データをどう管理しているかは、関連記事で解説しています。